運行最終日に初めて乗ったふるさと銀河線と初めての十勝の大地と狩勝峠と糠平湖。
2006/04/20 ~ 2006/04/22 現地調査実施。
北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線が 2006 年 4 月 21 日に廃止のニュースをたまたま聞いて驚いた。延長 100km 以上の路線が一気に廃止なのである。北海道のこともほとんど知らず、ましてやいわゆる乗り鉄でも葬式鉄でも無いため何も考えずに行ってみようということで訪れた。
運行最終日にあたる 4 月 20 日、東京羽田空港から女満別空港へ飛び北見駅から池田駅まで一気に乗車した。ローカル線だからそんなに人もいないだろうと思って北見駅で発車時間までの間にのんびりと今は亡き駅うどんなんぞを食べていたら単行気動車はぎゅうぎゅう詰めとなっていて、ダッシュして辛うじて席を確保出来たほどで心底焦った。なにしろ全長 140km の路線に完乗するのだ。
同線では何も知らないまま乗りに来たので車窓の風景に釘付けだった。本州ではあり得ない広大な眺めや驚愕の駅舎の連続。へなちょこコンパクトカメラしか持っていなかったが可能な範囲で駅名標を社内から撮影を試みた。そして何よりこんな長大路線が廃止されてしまう現実の厳しさを痛感した。
ちょうどこの頃仕事で札幌への出張に時々行き始めていたため北海道の鉄道の歴史や廃線跡に興味を持ち始めており、ぜひ狩勝峠すなわち根室本線旧線もこの機会に見ておきたいと計画し、新得から狩勝峠までを主に国道 38 号からの観察であったが訪ねることが出来た。
実際に廃線跡そのものには雪のためほとんど接近出来なかったものの、国道の狩勝峠からの眺めに息を呑んだ。よくぞこんなところを鉄道でぶち抜こうなどと考え実行したものだと驚きっぱなしだった。それはそもそもその国道 38 号自体も同じである。
また、もう一つ十勝地方と言えば士幌線跡も行ってみたいと欲張り訪れたものの、あの旧タウシュベツ川橋梁はアクセス林道が雪のため通れず糠平湖の対岸からの遠望にとどまり心残りであった。それでもこれまた憧れの十勝三股駅に行くことが出来、こんなところにまで鉄道が敷かれていたのかという驚きと廃止後の人が去ってしまった独特の雰囲気を知ることが叶った。
そして、帰りの飛行機は帯広空港からとしたため、最後のあがきとして広尾線跡の駅舎跡を時間が許す限り訪ねた。
純粋に現地調査してみればなんちゃってにも程があると言えるほどのライトなものとなったが、個人的には北海道に対して初めてこのような観点で訪れることが出来た忘れられない探訪となった。
調査対象一覧を地図に示す。
調査対象 | 調査観点 | 備考 |
---|---|---|
北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線【北見~池田】 | 運行最終日における全区間完乗 | 車窓からのいくつかの写真撮影のみ |
JR 北海道根室本線旧線【新得~狩勝峠付近】 | 廃線跡の現状調査 | 新得駅~狩勝峠付近のみ |
旧国鉄士幌線跡【帯広~広尾】 | 廃線跡の現状調査 | 帯広市内のいくつかの駅跡のみ |
これは北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線に乗っていた際に車窓越しに撮影した大誉地駅舎である。当ページ執筆時(2012/01/14)現在、Wikipedia によると駅舎は現存しているとあるが、気がかりである。写真でも分かるように同線としては比較的大きく立派な駅舎であり、軒を支えているのが古レールである。いつか見に行きたいがその時までこの駅舎は残っていてくれるだろうか。